田園調布に売地が増えている
弊社からほど近い「田園調布」。
渋沢栄一が開発計画に携わった緑豊かな街づくりを目指し、高級住宅街の代名詞ともなった場所です。しかし、最近ちょっと様子が変わってきています。
https://style.nikkei.com/article/DGXLASFL30HCK_R30C19A5000000?channel=DF150620172612
この記事 にも書かれている通り、田園調布3丁目及び4丁目の一部には地区計画・田園調布憲章が制定されており、建築物の敷地面積の最低限度を50坪(165㎡)と定めています。
このエリアの土地の取引の実勢価格は坪当たり約300~350万円(100万円/㎡前後)。50坪という面積で売り出されるケースはほとんどなく、80坪から100坪というものが多いので軽く2億円を超えます。(もともと1区画150坪程度を目安に計画されました)
100坪を超えれば半分にもできるかもしれませんが、100坪未満の土地は事実上分割することができません。
一方で、昨今は核家族化が進み、親と同居する人が少なくなったことからこの金額でこの面積の自宅取得を希望する人はかなり少なくなっています。
一度土地が細分化されてしまうと元に戻すことはできず、渋沢栄一が求めた街づくりの根幹を崩してしまうことになると考えられます。地域の景観や環境を維持するためにも面積制限は譲れないという気持ちも理解できます。
しかしながら、人が住んでこそ「町」。空き家や空き地が増えてしまうと地域にも様々な悪影響が出かねません。
今もなお、昔ながらの落ち着いた街並みを維持しているように見える田園調布。
田園調布駅の開業から90年以上が経ったいま、高級住宅街「田園調布」は節目を迎えているといえそうです。