オリンピックとコンコルド効果
都知事選は小池都知事の圧勝に終わりました。
投票率が前回の59.73%に対し、今回55.0%と少なかったのが残念です。
さて、テレビを見ていて気になったことがあります。
オリンピックの開催可否判断の中で「中止にしたらこれまでの投資が無駄になる」と話している人がいました。
コロナの感染拡大が収束しないまま世界中から人が集まるイベントとなるオリンピックの開催を強行すべきではないのは当然と言えます。
「コンコルド効果」というのをご存知でしょうか。
かつて、イギリスとフランスの会社が共同開発した「コンコルド」という超音速旅客機がありました。音速の約2倍の速度で飛び「夢の旅客機」と言われましたが、音速を超える際に起きる衝撃波「ソニックブーム」などの環境問題やオイルショックの影響など様々な事情で普及せず、多額の開発費をかけたものの十数機が定期就航したのみで生産終了となりました。
このコンコルドの開発では、既に開発を続けても採算が取れないことがわかっていながらも、開発を中止することによってそれまでにかけた開発費が無駄になることを恐れ、結果として開発中止判断が遅れ、開発した企業は莫大な損失を抱え倒産しました。
来年に「とりあえず」延期になったオリンピック。
僕も日本でオリンピックを見たい気持ちはあります。
中止になると日本の景気に悪影響が出るのは間違いないでしょう。
しかし、コロナウイルスの感染をサイト広げてしまうことのリスクの方が高いのではないか、とも言えます。
確かに、オリパラ大会を開催することを前提に多額の投資を行ってきたことと、それを無駄にしたくない気持ちはわかります。しかし、ここはゼロベースで今後への影響を冷静に判断する必要があります。
投資回収を焦るとろくなことはありません。
これは他の投資でも言えることです。