少子高齢化進行の弊害
日本では少子高齢化の進行が顕著になり、様々な問題が懸念されています。
人口構成が変わることによって、行政に与える影響も無視できません。
特に社会保障費・年金財政に与える問題が大きいことは容易に予測でき、既にいろいろなところで議論されています。
「2025年問題」「2035年問題」とは
「2025年問題」は団塊の世代(戦後のベビーブームに生まれた世代)が全員75歳以上の後期高齢者となる年。
この話は聞いたことがある人が多いと思います。
最近、さらにその先の「2035年問題」について合わせて話題になる事が増えてきたように思います。
「2035年問題」は団塊ジュニア(団塊の世代の子供)の世代がおおよそ65歳を迎える年です。
しかし、今の年金財政の前提とされている経済成長率や賃金上昇率に対し、実績ベースで達成できていません。
さらに、出生率こそ平成17年の1.26をそこに2016年は1.44まで回復しているものの出生数は下がり続けています。
また、日銀の超低金利政策により、現在も歴史的低金利の状況が続いており、抜け出すきっかけが見えない。
(もし、低金利政策から、利上げに切り替えようとしたとたんに変動金利で借りている個人の不動産投資や企業の資金調達にも大きな影響が出るでしょう。日本ではこれだけの低金利になった歴史すらありません。いずれはその時が来るのだろうけれど、経験のない今の状況からどのように出口戦略を考えるのか、現時点では想像もつきません。)
今後、予測では出生数は下がり続け、高齢化率が高まっていくことは確実です。
となれば、さらに年金の受給開始年齢を引き上げたり、年金の受給額そのものを引き下げたりする必要に迫られるでしょう。
FPとしては、将来のキャッシュフローを検討する際は今想定される年金受給開始年齢や受給額予測を参考にしかありませんが、実際にはギリギリで見込むのではなく、さらにその数字を厳しくとらえ、支給額が下がったとしても耐えられるシミュレーションを意識しておく必要がありそうです。
過度に不安をあおるつもりはありませんが、人口ピラミッドのバランスが大きく崩れ、さらに悪化する超高齢化社会を迎えることが確実な現状から、将来予測として意識しておく必要がありそうです。