先祖代々の土地を引き継いでほしい…
仮に、の話です。
「先祖代々の土地を引き継いで欲しい」
実家を離れ、東京で仕事を得、生活し、もう実家に住むことはないだろうと思っていた人がいた、とします。
ある時、お母様がなくなり、後を追うようにお父様も亡くなった、とします。
葬儀のため、実家へ。
お母様の葬儀から1年もたたないうちに再び親戚が実家に集まりました。
亡くなられたお父様の遺言書が残されていました。
そんなに多くの金融資産が残されているわけではありませんでしたが、実家はそこそこの規模の土地建物があります。
周辺には既に荒れてしまった農地も残されています。
遺言書には「長男に不動産を相続させる」と。
「先祖代々守ってきたこの土地を引き継いで欲しい」と書かれていました。
さて、どうすべきでしょうか。
日本人は由来が農耕民族であることもあってか、不動産に対する思い入れが小さくありません。
特に地方の名士や、自分で所有している農地がある場合にはそれを守ることを自分の家の使命と考えている人も少なくないようです。
「一所懸命」という言葉は、武士が先祖伝来の領地を命懸けで守ったことに由来するそうです。
「自分の土地を守る」ということは命を懸けるに値するほど重要なことだったということです。
今もそのスピリットが根強く残っている場所や家系があるということでしょう。
しかし、現実は残酷です。(いや、「仮に」の話です)
引き継いでほしいと言われても帰るわけにもいかず、目も届かず、どうしたものか…
結局、ご長男はその土地を売却することにしました。
幸い、お隣にお住まいの、以前から親しくしていた方が、買って下さることになりました。
相続はどこの家にも必ず発生します。
以前とは家族の形も変わってきています。
お父様の意向とは違う形になりましたが、ご家族はホッとされていたようです。
お父様はひょっとしたらお子様に相談したかったかもしれません。
あるいは「当然長男が引き継ぐもの」と疑っていなかったのかもしれません。
考えさせられるお話です。
(このお話はフィクションですが、実際に起こり得る話です)
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