桜が満開です。
昨日今日と暖かい日が続き、桜はすっかり満開。
日当たりの良いところの木はすでにハラハラ花びらが舞い始めています。
明日も暖かいようですので、今年は花が終わるのも早そうです。
さて、不動産業界は2月3月が繁忙期と言われます。
弊社はほとんど賃貸は扱わないことと、ひとりひとりのお客様とじっくり進める仕事が多いので、あまり実感はありませんが。
そんな弊社ですが、この2ヶ月で賃貸のご相談を2件受け、2件とも成約(1件は今週末契約)しました。
普通の不動産屋さんならばこの季節、就職、就学、転勤に伴う需要が多いのでしょうが、弊社に頂いた相談はそのどちらとも
違うものでした。
うち1件はある1本の電話から始まりました。
今お住まいの物件が近々建て替えになるため、転居を迫られたお年寄りからの「転居先を探してほしい」という依頼でした。
104の番号案内で「雪が谷大塚の不動産屋さんを紹介して欲しい」と伝えたところ、弊社を案内されたそうです。
こういう入り口からご連絡をいただいたのは初めてです。
他の不動産屋さんにも連絡されたようですが、ちょうど繁忙期に重なったこともあるのでしょう。どこに掛け合ってもまともに話を聞いてもらえなかったようです。
お困りなのは痛いほど伝わってきました。
大家さんの都合で立ち退く場合、入居者として伝えるべきことなどもありますので、いろいろアドバイスをさせていただきながら対応させていただきました。
とはいえ、容易に想像がつく通り、お年寄りがお住まいになる住宅を探すのは簡単ではありません。
まず、1階限定。2階以上の場合はエレベーター必須。家賃も上限がありますし、できれば駅から近いところがいい。
その他にも当然いくつか希望条件があります。
それだけでも物件は限られてきます。
条件に合う物件について管理会社などに問い合わせても、年齢をお伝えしただけで「すいません、無理です」と言われる物件が80%以上。
ほぼ丸2ヵ月かけてやっと決まりました。
まだ契約前ではありますが、お客様からは「本当にありがとうございます」と感謝のお言葉をいただいております。
以前にコラムにも書いたことがありますが、高齢になってからの賃貸暮らしのリスクを身近に感じた次第です。
これから高齢化社会がますます進行し、このような事例が増えてくると思います。
区などの自治体も高齢者向け住宅の支援事業などを行っているところがありますが、全てが使えるわけではありません。
住宅を取得にはタイムリミットがあります。
ある年齢を超えると低利、長期返済の住宅ローンは使えなくなることもあります。
そうなると、他の資産を売却するか、現金で資金を用意する必要がありますが、そんな資産はお持ちではない場合のほうが多いでしょう。
持ち家か賃貸かの選択をするうえでは「生涯に支払う住居費の多少」に着目されがちですが、それ以外にもさまざまな制約が出てくることがあります。
困っている人を助けるのも大事な僕の仕事ではあります。
でもできれば、困る可能性を最小化し、20年、30年経ったとき「あの時に西山ライフデザインに相談しておいてよかった」と思っていただけるようなお手伝いができれば幸せに思います。
将来を安心して幸せに過ごせていれば、相談したことすら忘れてしまうかもしれません。
それでも良いかな、と思います。