「イノベーション」と「マーケティング」
今週「睡眠」特集を組んでいる週刊ダイヤモンドにもう一つ面白い記事がありました。
最近話題のダイソン、iROBOT(ルンバ)、バルミューダなどの登場による家電、特に白物家電と呼ばれる業界の変化。
最近まで、白物家電業界は「成熟しきった市場」とみられ、中国での製造販売や、中国を中心とするメーカーの進出などで日本の大手家電メーカーは次々にその取扱いを縮小していました。
日立は分社化、三菱電機は事業を絞り込み、東芝は中国ミデアグループに事業を売却。三洋電気も中国のハイアールに売却するなど日本における白物家電は激しい価格競争の波にもまれる業界でした。唯一といっていいほど頑張っているのはパナソニックぐらい。
ところが最近、その業界に変化が。
ルンバやダイソンの様なそれまでの価格帯とは明らかに違う掃除機、2万円のトースターや3万円の扇風機、8万円の炊飯器が飛ぶように売れています。
特に僕が気になっているのはこれ。
バルミューダの扇風機。
最近は、エアコンと一緒に扇風機を使うと空気を拡散させるために空調効率が大きく上がることがわかっています。
その扇風機の風を根本から見直す。
バルミューダのホームページではではその開発ストーリーも併せて掲載し、商品の特性などをわかりやすく解説しています。
「イノベーション」がヒットした理由の一つであることは間違いないでしょう。
でも、イノベーションだけではモノは売れない。
実際、良い商品、おいしい食べ物、便利な道具はおそらくこの世に沢山あふれている。
それを世に知らしめる方法がなければ、その良さが伝わりません。
SNSやブログなどで拡散するマーケティング戦略がうまく機能したのだと思います。
消費者の購買意欲を促す事こそマーケティングの本質。
これらの業界で、新規に参入しているメーカーには「シェア5割」なんていう目標は必要ないはずです。
5%でも10%でも十分。なにせ、成熟した業界で家庭普及率は100%といってもいい製品。分母が大きいのですから。
信頼できる人が使って「よかった」「すごい」という声をSNSやブログなどで拡散すること。
これに共感して一部のこだわりのある商品の価値がわかる人に買ってもらうこと。
それが徐々に広まって気が付けばすごい人気になっていること。
それぞれの商品やサービスの特性、マーケット規模によって販売戦略は異なってきます。
僕の仕事である、ファイナンシャル・プランニングという仕事もそうかもしれません。
世の中にはあまり認知されていない業種ではないかと思います。
個人情報を扱う仕事ですから、信頼していただければ相談していただけません。
何を相談してよいか、良く分からないという方も多いと思います。
でも、こういう仕事をしている人がいること。相談に来られたお客様が満足すること。その人から口コミで相談する価値を広めてもらうことが重要だと思います。
弊社も、ひとりでも多くの方に私が提供するサービスで「助かった」「ありがたい」「また相談したい」「人にも紹介したい」そう思っていただけるような仕事をしたいと思います。