流行りの不動産投資に警鐘
週刊ダイヤモンドの最新号で「不動産投資の甘い罠」という特集を組んでいます。
不動産投資にも当然リスクがあります。
しっかり不動産投資について勉強しないまま始めると痛い目に合います。
投資はリスクがある反面、しっかりとその仕組みを理解することによってリスクを最小化し、収益を狙うことも可能になります。
株式投資や投資信託、債権、金などの商品、不動産、FX(外国為替証拠金取引)など、様々な投資対象があります。
どの投資対象も素人が予備知識なしに始めればギャンブルと変わりません。
株取引や投資信託などは投資する際に購入手数料や口座管理手数料、信託報酬などの手数料がとられるものもあります。
高い手数料をとりながらあまり運用成績の良くない商品も少なくありません。
また、多くの投資信託などの目論見書では過去の運用成績を示し、パフォーマンスの高さをPRしています。
これもあくまでも過去の実績。これからのパフォーマンスを保証するものではありません。
高い手数料を取られても、プロのファンドマネージャーが運用し、投資する人がその投資商品に支払う手数料以上の価値、
将来性があると感じれば、投資する意味があると思います。
その判断を行い、リスクを負うのは投資家自身。
株式投資やFXなどで、本業があるにもかかわらず、いつもマーケットが気になってしまうようでは本末転倒です。
少しの値動きで一喜一憂していては本業もおろそかになってしまいます。
不動産投資では物件を紹介されるときや、土地をお持ちの方の有効活用を業者が提案するときにはいわゆる「表面利回り」が
ベースになることが多くなります。
実際に不動産投資を行うと、税金や管理費等の費用や、借入金には利息もかかります。
特に不動産投資は長期で保有する場合には「空室のリスク」も考えなければいけませんし、途中で売却する場合には出口戦略
も必要になります。
23区内でワンルームマンションやアパートの賃貸をしようとする場合、現在は表面利回りで5%を超える物件は多くありません。
この水準だと多くの物件でキャッシュフローは良くて少しプラス。マイナスになるものも多くあります。
相続対策としての不動産投資が注目されていますが、こうした費用のことやリスクのことを考えておかないと
一時的に相続税評価額を下げることに成功してもトータルでメリットが出ないこともあり得ます。
購入資金をフルローンやオーバーローンで借り入れた場合、数年後に売却しようとした時に残債が売却価格よりも多く
なってしまう可能性もあります。
「不動産投資をする」ということは「大家さんという事業」を始めることです。
事業である以上、その事業者は「プロ」でありリスクを負う事を避けることはできません。
「そんなリスクがあることを知らなかった」では済まないのです。
「だまされた」と思ってもリスクを負うのは投資した本人です。
リスクがあることや、事業者としての責任を負うことを理解させないまま、不労所得が得られる、あるいは資産形成できる
などと吹聴し、不動産投資を進める会社や書籍が多いことに懸念を感じていましたが、まさにそんな風潮に警鐘を鳴らす
特集だと思います。